20200805_080501

2017年 第81回新制作展 国立新美術館
90×240×70cm
高太石

震災後に狛犬を造らせていただく機会がありました。狛犬は、邪悪なる者の侵入を水際で食い止めるべく、多くは最前線に置かれます。また獣の類という事で、何ら特別に武器を持ちません。それ故、「オレはただ者では無いんだぞ」という雰囲気を常に発していなければならず、己の身を最大限に工夫して装います。古(いにしえ)の狛犬を観ると、非力な庶民達の叫びにも似た生き様が伝わってくるように感じます。今回は新たに自分なりの現代の狛犬を彫ってみたいと思いました。